縫合針 Surgical Needles

医研工業は 医療用縫合針を高級ステンレス鋼である 耐食性に優れ、折れにくい良好な延性を持つ18-8ステンレス(300シリーズ)材を使用し、刺通性能にこだわり日本国内の工場で製造しています。
独自の形状による、高い曲げ強度と刺通性能の両立を可能とし、高品質の縫合針を提供しています。(特許4576589)

医療用縫合針は、手術で使用される部位や用途による様々な要件を満たす為に、針先の形状、弯曲の有無と程度、線径や長さ等大きさの違いや組み合わせに、多種多様な針が必要とされます。当社においても2000種類に及ぶ製造実績があり、ご要望に応じた様々な種類の針を提供しています。

アイド針・アイレス針 Eyed・Eyeless  Needle

縫合針は、従来から使用されている手術時に縫合糸を付けるアイド針と、現在主流で使用されている、針と縫合糸を一体として製品化するアイレス針に分類されます。

アイド針は手術に合わせて、糸と針の任意の組み合わせが可能であることが利点としてあります。

アイレス針の利点は医師又は看護師が針に糸を通す手間が省けることです。これは、非常に細かい針と糸とでは難しい場合がある為大きな利点となります。 また、糸付け部(カシメ部)は針体よりも細い為、組織を通過するときに糸の取付け部による組織の引き摺り損傷がありません。アイド針では糸が針体の両側からはみ出す為、引き摺りの原因となり組織に損傷を与える可能性があります。このことから、アイレス針は「無傷針」と呼ばれます。

針先種類代表例 Needle Points in Detail

角針  皮膚など硬い組織の刺通に汎用されます。3刃を持ち組織を切りながら刺入します。

丸針  使用範囲が最も広く、柔らかい組織に使用されます。
特に組織の損傷を避けたい部位 (腹膜・筋層・消化管・血管etc.)に適します。
点で刺さり組織を徐々に拡張しながら刺入します。

平角  角針を平に薄く加工。組織を薄くひろえる。眼科(結膜・強膜・角膜)に使用されます。

先角  丸針の先端を角に加工。腱・靭帯・石灰化した血管や弁に使用されます。

鈍針  針先が丸く組織を切らずに通す、肝臓・腎臓など出血しやすい柔らかい組織の縫合に使用されます。

弯曲代表例 Curvature

縫合針には直針と弯曲針とがあり、弯曲針はさらにその弯曲の程度により分類され、一般的には強弯と弱弯 が多く用いられます。

大きさ Size

針の線径、針長さの組み合わせに多くの種類があります。

当社製造実績の針サイズ

アイド針
線径 Ф0.4 ~ 1.35mm
針長 6 ~ 73mm

アイレス針
線径 Ф0.25 ~ 1.8mm
針長 6 ~ 56mm
穴径 Φ0.05 ~ 1.3mm

角針 Cutting Needles

刺通性能と強度を両立する独自の形状(特許4576589)

初期刺通を、3枚の刃でしっかりと切り裂ける形状。(①)
3枚の刃をより鋭角にし、刺通抵抗低減に有効。(②)
持針器による山刃の損傷を防止する形状。(③~④)

針先形状

丸針 Taper Point

特徴

針先のテーパーを長く取ることにより、刺通抵抗の負荷漸増を緩和した設計。

先端のテーパー角度を変え、針先の強度を保つ形状。

形状

先端形状比較

アイレス針 糸穴加工 加工実績 Φ0.08 ~ 1.3mm


針付縫合糸 Suture Needles

当社では、清浄度の維持・管理されたクリーンルームで、縫合糸と縫合針の取付け作業を行っています。(OEM受託生産)

ISO14644-1 Class8

糸付け技術  Suture attaching

手術用縫合糸と縫合針を短時間で容易に取り付けることができる四角かしめ方法。

カシメ機  Attaching Tool

当社独自の四角カシメ機

<利点>

  • 細かいカシメ圧のコントロールが可能
  • カシメ作業を1操作で完了できる(丸型カシメは複数回必要)
  • カシメ型を針サイズごとに用意する必要がない
  • 丸型カシメに比べて糸切れしにくい

<カシメ形状比較>

引張試験機

  • カシメられた縫合針と縫合糸の接続強度を測定するための試験機です。
  • 接続強度を全数確認しています。

パッケージ Package

特徴  Feature

針付縫合糸を取出しやすく巻癖がつきにくい機能的パッケージ

材質: ポリプロピレン

PPシートから成形し、フィルムを熱溶着にて貼り付け。 安全性を考慮し接着材等を使用しない製法。

種類  Type

製作例